直置きでシーシャを作ろう|伝統的な作り方のポイントや注意点を解説

シーシャの作り方はさまざまあり、お店によって使用している機材が異なることもしばしばです。現在では多くのお店でヒートマネジメントシステム(HMS)と呼ばれる、熱管理の機材を使用してシーシャを提供しておりますが、本場中東ではHMSは使用せずに、アルミの上に直接炭を乗せる方法でシーシャを作ることが一般的です。

このやり方を直置き(直炭)と呼び、伝統的なシーシャの作り方といえるでしょう。今回は直置きでのシーシャの作り方のポイントや、注意点などを解説します。

直置きシーシャで用意するもの

シーシャを直置きで作る場合に準備すべきものは、フレーバーとボウル、炭とアルミホイルのみです。ごく最低限の機材でシーシャを作れる点は、直置きならではのメリットといえるでしょう。

ボウルにはさまざまな種類がありますが、ドーナツ型に穴があいているファンネルでも、ボウルの真下に穴があるストレートのどちらでも直置きでシーシャを作ることは可能です。ただし、熱伝導の問題を考えるなら、材質はシリコンを避け、陶器か素焼きのものを選ぶとよいでしょう。

直置きでシーシャを作る場合におすすめのフレーバーは、シロップの少ない中東系のものです。シロップが多いアメリカ系だと、シロップ部分が焦げやすかったり、シロップの蒸発によって喉がイガイガしやすくなります。

アメリカ系のフレーバーを使用する場合や、その他シロップの多いフレーバーを使うなら、事前にキッチンペーパーなどでフレーバーを叩き、シロップを少し落としておきましょう。

直置きでのシーシャの作り方

直置きでシーシャを作る場合も、基本的な流れはHMSを使用する場合と同じです。

  1. 炭を焼く
  2. フレーバーを盛る
  3. アルミを張る
  4. 炭を乗せる
  5. 吸い出しをする

基本的な流れを理解して、実際にシーシャを作っていきましょう。

炭を焼く

直置きの場合に焼く炭の個数は、使用するボウルによって異なります。小さめのストレートボウルやエイティフィートなどの深過ぎないファンネルボウルの場合は、フラット炭2個で十分でしょう。

少し大きいボウルを使用する場合は、フラット炭を3つ焼きます。キューブ炭を使用している場合は、2個焼いて半分に割り、4点で炭を乗せるか、ボウルのふちぎりぎりに焼けた炭を3つ乗せるかのどちらかで対応します。

フレーバーを盛る

フレーバーの盛り方も、基本的にはHMSを使用する場合と変わりません。どのボウルでも熱が通るようにふわっとほぐしながら盛ります。

フレーバーの量によって出せる味の濃さや吸い出し時のアプローチが異なるため、この点には注意が必要です。基本的にはフレーバー量が多いほうが味が濃く、ややきつくなり、量を減らすと持ち時間は短くなるものの、やわらかい煙感でシーシャを作ることができます。

アルミを張る

フレーバーを盛った後は、アルミを張ります。アルミはしわやヨレがないようにピンと張ることを意識しましょう。穴の開け方もHMSを使用する場合と同じです。

ファンネルなら真ん中の穴を避けて円状に、ストレートボウルの場合は細かく全体的に穴をあけましょう。穴を開けた後は、ボウルの裏から直接吸って空気抵抗を確認し、抵抗が強いと感じる場合は穴を増やします。

炭を乗せる

焼けた炭はボウルのふちぎりぎりに乗せます。ボウルの中央付近に乗せてしまうと、一気にフレーバーが焦げてしまうため、できるだけ熱を遠ざけるポジションに炭を配置しましょう。

ボウルの形状によって、縦置きがよいか横置きがよいかは異なります。縦置きにする場合は炭が倒れないように注意し、横置きの場合は中心により過ぎないように気をつけることが大切です。

吸い出しをする

炭を乗せてフレーバーが温まったら、吸い出しを開始します。HMSを使用する場合は、炭を乗せて数分放置して蒸らし、そこから吸い出しを始めます。しかし、直置きの場合は、乗せて1分程度で一度吸って状態を確認しておくことがおすすめです。

直置きはフレーバーと炭との距離が近く、熱周りが速いため、HMSを使用する際よりも早めに熱量の確認が必要です。もし炭を置いてすぐに焦げ味がしたり、シロップの揮発などによるイガイガが強い場合は、炭の置き場所を調整し、熱を遠ざけましょう。

吸ってみて問題がなければ、そのまま数分放置して蒸らします。蒸らしたのちに吸い出しを再開し、煙と味が充分出たところで熱量を落として、そこから吸い始めとなります。

直置きシーシャを作るときのポイント

HMSを使用せず、直接アルミに炭の乗せる直置きでシーシャを作る場合には、覚えておきたいポイントがいくつかあります。ポイントを把握し、自宅でも上手に直置きシーシャを作りましょう。

アルミホイルの厚さを確認する

市販されているアルミホイルは、実はメーカーや商品によって厚さが異なります。アルミホイルの厚みは㎛で表記されており、スーパーやコンビニなどで市販されているものは、10~11㎛が多いです。

業務用で販売されているアルミの場合は、厚さが20~40㎛と分厚く、一般的に販売されているものよりも硬さがあります。アルミホイルの厚みによって、フレーバーと炭の距離が変わり、同じ炭配置でも熱量が変化します。

㎛の数値が大きいものほど、炭との距離が遠くなるため、より遠火で直置きシーシャを作ることが可能です。しかし、業務用のものは高価であるため、基本的にはスーパーやコンビニなどで市販されている、10~11㎛のもので構わないでしょう。

アルミは二重折り以上で使用する

10~11㎛程度のアルミホイルを使用する場合は、長めに切って二重折り、あるいは三重や四重にして使用するのがおすすめです。1枚張りでも直置きシーシャは作れますが、炭との距離が近すぎるため焦げやすく、難易度が一気に上がります。

直置きに慣れないうちは、二重折り以上でアルミを張ることで、直置きでも熱量をコントロールしやすくなり、ハードルを下げて作ることができます。

風防をかける

直置きだとHMSを使用した場合よりも、ボウルの表面に強く熱が入ります。そのため、風防なしで蒸らしをしていると、表面だけが焦げてしまい、ボウル内部にまで熱が行きわたらないという事態が発生しやすいです。

風防をかけることで、フレーバーの表面だけではなく、ボウルにも熱を伝えることができ、よりボリューミーな味を煙を出しやすくなります。風防を持っていない場合は、筒状のアルミホイルを作って代用しても構いません。

ボウルと炭の上部までしっかり覆うことができ、熱の逃げ道となる空気穴さえ通っていれば、アルミホイルで自作したものでも風防として問題なく機能します。

フレーバーの盛る高さを意識する

直置きでシーシャを作る際には、フレーバーの盛る高さが非常に重要です。使用するボウルによって適正なグラム数は異なりますが、直置きをするならフレーバーをアルミに当てるかどうかを考えましょう。

フレーバーを高めに盛り、アルミに当たるようにした場合は、炭を置いた瞬間からアルミに接着している部分が焦げ始めます。最初は焦げ味が強くしますが、焦がしきって飛ばしてしまえば問題ありません。

アルミに当てて作ることで、表面を焦がしてパックすることができ、濃い味を安定して出しやすくなります。表面を焦がして中に旨味を閉じ込める、レアステーキをイメージするとわかりやすいでしょう。

焦がさずに作りたい場合は、フレーバーをアルミに当てないようにして、アルミとフレーバーとの間に空間を作ります。アルミに当てる場合はフレーバーに直接熱を入れるのに対して、当てない場合は空間を熱して、じっくりと熱を入れるイメージです。

アルミに当てないことでフレーバーが焦げづらく、直置きでもマイルドな喫味が楽しめます。ただし、炭との距離が遠くなる分、アルミに当てる場合よりも完成までに時間がかかることは覚えておきましょう。

直置きでシーシャを作るときの注意点

直置きでシーシャを作る際には、次の2点に注意が必要です。

  • 炭の落下に注意
  • アルミをピンと張る

直置きでは炭が剥き出し状態になっているため、HMSを使用した場合よりも炭が落下しやすくなります。炭が落ちるとフローリングが焦げたり、絨毯が燃えたりしてしまいますので、安全に留意しておこなうようにしましょう。シーシャの周りに防火マットやコルク板を引くなどすることで、自宅への被害は防ぎやすくなります。

アルミをピンと張るのも、炭の落下を防ぐためには重要です。アルミがヨレたり、たわんでいたりすると、吸った際にアルミの振動が起き、炭が動いてしまいやすいです。

炭が中央によってしまい、突然火力が上がってしまうことはもちろん、外側に動くと吸っていくうちに炭が落下してしまいます。アルミはしっかり力を入れてきれいに張り、吸っても炭が動かない状態を作り出しておきましょう。

伝統的な直置きシーシャに挑戦しよう

シーシャの作り方はさまざまあり、どの方法を取るかによって味の出方は異なります。直置きはHMSを使用しない、伝統的な作り方であり、昔ながらのシーシャを自宅でも楽しむことができます。

直置きシーシャはHMSを使用しない分、熱管理がシビアになります。しかし、難易度は高いものの、直置きならではの濃い味を楽しめるのは大きな魅力です。伝統的な作り方をマスターし、家シーシャのレベルをさらに上げましょう。

当店、Shisha Cafe & Bar LAGOS心斎橋・南船場店では、HMSを使用してシーシャを提供しております。初心者の方から上級者の方まで、全員が満足できる一本をお作りしますので、ぜひご来店くださいませ。

シーシャとはどんなもの?基礎知識と当店のコンセプト

なお、シーシャについての豆知識は、店主のTwitterで発信しております。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP